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完全咀嚼は一口、六十回噛むこと!?

7月9日(月)


ホーレス・フレッチャー氏は、四十歳の頃、身長171cmで、体重94kg程あったそうです。
神経痛、リュウマチが起こり、また、胃腸も悪くなって仕事も出来なくなり、そこで、あらゆる名医にかかり、あらゆる薬を飲みましたがだめでした。それで、自分は胃腸が弱い、これを治療するためには、よく咀嚼いるべしと思い。イギリスで4期に渡り首相を務めた
ウイリアム・グラッドストン氏(1809-1898)が一口を三十回、咀嚼したというので、これをやろうとしてみましたが、完全咀嚼には六十回噛まなければいけないことが分かり、これを実行します。すると噛めば噛むほど食べる量がすくなくなり、お腹が空かなければ食べないと決めたら、一日一食でよくなりました。これを習慣づけ続けたら、体重はどんどん減り、56kgになり、その時点で全ての病気が治癒したそうです。それから徐々に運動も始めると、やがて一食では足りず、一日二食が最も適することが分かったそうです。体重はやがて75kgにまで増え、身体が非常によくなり力も出てきて、それからは体重も変わらず安定したそうです。
この病気は『咀嚼することと、精白しない穀物と菜食と少食』で自分が自然に治したのだと、実践して結果を出し、医者の前で演説までしたそうです。

メタボリック症候群や生活習慣病が蔓延する日本にとって、未精白穀物と野菜を一口60回よく噛んで食べる少食の習慣であるフレッチャイズムは、現代の大いなる救世主となるのではないでしょうか?その気になれば、誰でも実行できる確かなほう方法であり、デトックスも出来るのではないかと思います!?

(参考資料 ハイ元氣ライフ 岩崎輝明の元氣トーク)


 
日本語訳されたのが1940年。
現在、“フレッチャーさんの『噛む健康法』”というタイトルで出版されている。

生活習慣病の予防のために“フレッチャーイズム”に学ぶことはたくさんありそうだ。



フレッチャーさんの『噛む健康法』の虎の巻*本当の食べ方12条


「フレッチャーさんの 噛む健康法」
● 第1条
腹が大いにへり、運動や仕事のあとに自然に出てきた食欲が、どうしても食べずにいられない段階になるまで、がまんして食べずにいたほうがよい。
● 第2条
その時に食べる食品は、食欲の精神心理的な面も十分に頭に入れて、今最も欲しいものを選んで順番をたてる。その時、食品の取り合わせについては、厳密(けんみつ)に学問 上の原則を気にかける必要はない。

● 第3条
口に入れた一塊(ひとかたま)_(一口(りひとくち)量_)の食べ物は、十分に噛(か)んで砕(くだ)いて、噛むうちに自然
に出てくる唾液(だえき)としっかりまぜ、何度も噛むこと。そうすることで、飲み込みの反射(はんしゃ)が自然に働き、食道が開き、食べ物が流れ込む。口の中に残った分は、また繰り返し同様にするが、決して強い力での噛みすぎや、過度に長い咀噛(そしやく)はしないこと。
昔から「健康になるためには、水も牛乳も噛んで食べなさい」と言われているように、液体も、直(ただ)ちには飲み下さず、唾液と混ざり合うようにあつかうこと。
● 第4条
食事の時には、ただ一心に食べることを楽しむこと。
「おいしいという感覚」を思うままに働かせて、それぞれの口に合うものを食べるがよい。食事中は精神を口の中に集中して、いわば「ゆっくり・ゆったり・よく噛んで 食べる」ようにすること。
何か気にかかることがあっても、食事中にはそれを一切(いつさい)考えない。気にかけないこと。
ひどく忙しく、つめて頭を使うことがあったとしたら、その日だけ一食にしてもよい。
仕事が終わってから食べる。もし、気がむしゃくしゃしたり、腹が立ったり、とても気持ちが沈んだり、何か悪いことがあったりした時には、一度ぐらいなら食事はしないほうがよい。そうした時は、食べ物が思うように体内で利用されないで身体の具合を悪くするから、気分の回復を待つ。
今、口の中の食べ物がどんなふうに噛まれたのだろうか?唾液がうまく混ざった
か?さて、どんな味が出てくるのか?などと、そっと様子をさぐって食べ物に集中することを忘れてはならない。そうすると、唾液ばかりでなく胃液の分泌(ぶんぴつ)も盛(さか)んになってくる。
● 第5条
よくよく腹加減(はらかけん)に気をつけて大抵(たいてい)のところで止めておく。「うまい」といってむやみやたらに食べない。「腹八分目(はらはちぶんめ)_(腹八分(はらはちぶ)_)」がよい。「腹八分は医者いらず」である。もっとも、フレッチャー式噛み方をすると、胃が自然に満足してつめ込もうとしてもそうはならない。つまり満腹感(まんぷくかん)というものが自然に湧(わ)き出してくるから、もっとよい。
● 第6条
以上の点をかたく守れば、食べ物は完全に消化する。わずかばかりの残り物ができても、ほとんど内臓をわずらわすことなく、糞便(ふんへん)は力(りき)まなくても、そろりそうりと排泄(はいせつ)される。まことに便利である。すなわち、便の量が減るということは本当にありがたい。
● 第7条
それに排泄された便はあまり臭くない。多く食べて、ろくに噛まないで飲み込むと、腸内で細菌の働きが盛んになり、そのために大いに腐敗分解(ふはいぶんかい)が行われるから、インドール、スカトールという臭(くさ)み成分(せいぶん)などができて悪く臭うが、フレッチャー式ならば大丈夫。
●第8条
食べ物の種類にもよるが、このように行われると、出る物も順調に降りてくる。
● 第9条
便の重さは_1日せいぜ40〜50gぐらいである。しかし、食物繊維(しょくもつせんい)性の物を多く食べると多くなる。ただし腐敗(ふはい)することが少ないため、腸内で毒素が生ぜず、有害な腸毒(ちょうどく)が血中に吸収されての自家中毒になることはない。したがって脳の働きも向上するし、他の臓器(ぞうき)も病気にかからないから、健康上どれほどよいかはかりしれない。
● 第10条
食べる時には、なるべく汁物(しるもの)や液を避けるほうがよい。液体をとると、十分に咀噛ができないし、唾液(だえき)が食物とよく混ざらない。食事時以外に水は飲むべし。
●第11条
馴(な)れないうちは非常に根気がいるが、注意を集中し、がんばって一所懸命やれば、できないことはない。十分な唾液の分泌は「口内消化(こうないしょうか)」の大切な要素である。「口内消化」にさえ十分に気をつければ、次の胃の消化液分泌(ぶんぴつ)も、その次もきちんと正しく行われる。
● 第12条
「フレッチャーの噛む健康法」を実行してみたいと思う人は、はじめから過大な期待をかけないほうがよい。しかし、はじめが肝心。はじめたら少しずつ実行していくことである。しばらくしたら一度は「ハタと壁に突(つ)き当たるところ」があり、不快感が生じるかもしれない。しかし、これは一時的なもので、これを越えることができれば、あとは忍耐と、この法則の注意点を十分に頭に入れて実行したら、きっと成功できる。


〜日本でも盛んだった「噛む健康法」〜
日本では、1930年代(昭和5年から)に入ると口腔衛生キャンペーンの柱のひとつ
として、「よく噛んで食べる」がスローガンとして取り上げられました。また、九州大学
医学部の内科の教授、宮入慶之助先生が注目したことから、大きな脚光を浴びることとな
りました。当時の日本の食糧事情もあって、「よく噛んで食べること」の大切さは、たち
まち国民的スローガンとなりました。
日本語の訳が出版されたのは、27年もたった1940年になってからでした(佐藤振興生活館調査部訳編、出版元も同。103頁、13×19センチ)。
日本では『完全咀噛法(かんぜんそしやくほう)』という書名で発行され、この時も大ブームが巻き起こりましたが、すでにフレッチャーさんは亡くなっていて、残念ながら日本での大評判を知ることはできませんでした。

引用文献 「フレッチャーさんの噛む健康法  市来英雄 著 2008」

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